ある図書館の片隅に-司書のつぶやき

某所図書館のカウンター&書庫で地下活動中の管理人のブログ。

「エホバの証人の発展要因(著者:山口 瑞穂さん)から考えること

日本におけるエホバの証人の発展要因―1970年代半ばから1990年代半ばまで―
(著)山口 瑞穂

https://doi.org/10.20594/religionandsociety.25.0_65

 

この論文を興味深く読みました。

あまり外では話せないのですが、実は親が信者で、私はいわゆる2世にあたります(私は信仰してませんが)

 

母は、もともとはお寺や仏教が強い田舎出身。かなり封建的な社会の中で、居場所を求めたのも一つあるんだと思います。

私が物事ついた頃には、母は「エホバの証人」のひとになっていました。

 

週2ほど教会に通い、勉強会にも参加する熱心な母に連れられ、私も一時期(小学生の頃)通ってました。

お尻を叩かれるとか、教会に通うとか、「兄弟姉妹」と仲良くなるとか、王国会館という施設に行くとか。およそ平均的な2世が過ごしたような世界にしばらくはいました。

 

ただ、「エホバのことをあまり言わないように」とか、「お父さんには内緒ね」というような「秘密主義」に、子供ながらに疑問を抱いていたのも事実。

 

それを破って父に話したところ、離婚寸前の大騒動になったことは、今でも若干のトラウマです。

さらに、その後の私の宗教観(できるだけ宗教の話題は避ける)に大きな影響を与えたのは間違いありません。

 

まあ、母は末端の末端だったからか、自分の身をなげうってお金を注ぎ込むとか、奉仕活動をするとか、そんなことはなかったからまだ良かったんですが。

 

この論文では、いかに集団としての活動を広げてきたかに着眼しています。

エホバの証人がなければ、もっと平和な小学生の頃を送っていたのかも、とも思います。

が、一方でその要素があったからこそ、今の自分が形作られているという複雑な思いに駆られます。

 

 

じっくり読み砕いて、どうやって母が取り込まれていったかもしれないのか、ちょっと振り返る材料になりました。

 

同時に、母と落ち着いて思い出話くらいに出来る日が来たら良いなって思いました。