図書館司書の採用試験を受験する(1) 司書の資格と採用試験
●図書館の種類と資格
『新・図書館学ハンドブック』(岩猿敏生ほか共編,雄山閣出版)によると、図書館は下記の種類に分けることができるとされています。
・公共図書館(県立・市立、私立図書館<<日本赤十字社または民法第34条に規定された法人の設置する図書館>>)
・その他の図書館(特殊図書館)
なお、一般的に図書館の専門職を「司書」と呼びますが、これは図書館法第4条*1に定められている名前です。
また、法律上、図書館法が守備範囲にしている司書と司書補は、公共図書館と私立図書館です*2。
このため、国立国会図書館や大学図書館、学校図書館などで職員を採用する際は、司書資格は必須資格として求められていない場合があります。
例えば、「国立国会図書館」および全国で同時開催される「国立大学法人等職員採用試験」では、司書資格を必須としていません。これはそれぞれの採用試験案内にも明記されています。
司書資格の有無ではなく、筆記試験の成績と、その人の「人となり」や「職務への適性」、「積極性」などが重視されているとみていいでしょう。
Q.職員採用試験の受験資格に司書資格は必要ですか?
A.必要ありません。また、司書資格の有無が試験の合否に影響することはありません。
国立国会図書館採用Q&A|国立国会図書館―National Diet Library
Q:受験するにあたって、司書資格は必要でしょうか。
A:受験あるいは採用にあたって、司書資格は必須ではありません。ただし、第二次試験で図書館情報学の専門試験がありますので、そこで専門的な知識を問われることになります。司書資格を取得する過程で学んだ知識は試験にも役立つと思います。
しかし、どの館種でも利用者サービスや資料整備に関する業務など、共通する部分が多々あります。このため、司書は図書館一般の資格としてみなされているのです。
●図書館の採用試験
上記の通り、一部の試験では司書資格が不要な場合もありますが、それ以外の方法は似通っています。すなわち、採用試験を受験し、合格した者を採用する、というかたちです。
試験の方法は、公務員型の試験の場合は、多くが1次試験~2次試験の最初の段階で教養試験・専門試験・論作文試験・適性検査などを課し、そこである程度人数を絞った後に、2~3次試験で面接試験(人物試験)を行うところが大半です。
近年は人物重視での採用を重視しているところが多く、面接を2回以上課すところも少なくありません。
それで結局、司書になるにはどうすればいいのか(資格取得編)
司書になるためのステップ
司書になるには、以下のステップを踏む必要があります。
(1)司書資格を取得する
(2)採用試験を受験する
(3)筆記試験・人物試験を突破し、試験に合格する
(4)任用(採用)される
なんだそんなこと、と思われるかもしれませんが、順を追って説明していきます。
(1)司書資格を取得する
文部科学省のホームページをご覧いただけると、最新情報が掲載されています。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/gakugei/shisyo/index.htm
(A)司書の資格をとれる大学を目指し、進学する
結構多くの方がこのルートです。
文学部で取れるイメージが強いかもしれませんね。
大学に入って、必要な単位が取得できれば、司書資格を取得できます。めでたし、めでたし。
「司書資格が取れない大学」に通っている方は、下記に方法にて資格を取ることができます。
(A´)通信教育部に通って資格を取る
大学在学中でも、卒業してからでも、通信教育部に通って資格を取ることができます。
ちなみに、私は、この方法で資格を取得しました。
大学卒業後、民間企業に勤めながら某マグロで有名な大学の通信で資格を取って、司書に転職しました。
ですから、今大学に通っている方や卒業後に司書になりたいと思っている方。大丈夫です。
(B)司書講習に通う
毎年7月〜9月にかけて、全国の数か所で実施される専門講習です。
この講習で全単位を取得すると、資格を取ることができます。
自動車教習所で言う、「合宿免許」みたいなものです。 WAO!
この講習、私の友人(現在、学校司書)が参加したんですが、「マジでつらかった」と言っていました。
なにしろ、全国数か所ですから、希望が殺到して抽選になります。
その友人、一度落ちて1年先延ばしになったそうです(めっちゃ落ち込んでいた)
また、都市部の大学が多いことから、地方の出身の場合、自宅から通える可能性は限りなく低いのです。
多くの方は、マンスリーマンションを借りたりホテル住まいだったり、親戚の家に泊めてもらったりなど、何らかの方法で生活の拠点(寝床)を確保する必要があります。
学費とは別に、宿泊費もかなりの痛手になります。
そのうえ、カンヅメで朝から晩まで講義講義講義……
さらに、必修科目を1つでも落とすと、資格が取れないなんて場合も。
結構、単位を落としかけて危ない橋を渡る人も多いそうです。 (あくまで個人の所見です)
司書講習は、比較的時間の融通が利く大学生・大学院生に特にオススメな方法といえると思います。
図書館ブログ、はじめます
はじめまして。いなだです。
とある図書館で正規職員として勤務しています。
この業界に入って早ウン年、図書館周りの状況も日々変化しつつある今日この頃。
そんな身の回りのことを発信したいなと考えて、ブログをはじめることにしました。
ブログなので、テーマに縛られることなく、
身の回りのことだったり、好きなゲームのことだったり、そして、これから図書館員になる方へのメッセージだったり……
幅広く更新していきたいなと! 思います!
よろしくおねがいします。